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原子書類を作成し、数字の根拠を示す(サービス業編)

○「売上高」と「人件費」には注意する

 業種によって商品、サービスの価格は大きく幅があります。

 そこで、税理士の活用方法、税務調査時の注意点について、多くの業種で共通する部分を紹介していきます。

 サービス行の特徴は、製造業や小売業に比べて「仕入の量と金額」が圧倒的に少ないことです。つまり、売上アップが即、利益の増加に結びつきます。また、大幅な利益増を人件費の水増しでごまかすこともできます。そのため、税務調査での注意点は下記2点となります。

 

  • 売上高
  • 人件費

 

売上高について、徹底的に調べられるのが、正確に計上されているか。一部の取引を売上から除外していないかどうかが調査対象になります。

サービス業は大きく別けると、低価格の商品・サービスを扱う業種、高価格の商品・サービスを扱う業種の2つになります。

税務署が売上高を調査しやすいのは、高価格業種です。たとえばプログラム開発会社の場合、1件当たり数百万~数千万円の受注があるでしょう。これを年間数十件受注すると、年商数千万~数億円になります。

このようなプログラムの案件に対して「時期」「価格」「誰に」は、入金のほとんどが銀行振込です。振込口座さえ特定できれば、売上のほとんどを把握できるという特徴があります。高価格業種はほぼすべてが税務署に把握されているでしょう。

一方、数百円の売上がたくさんあって経営が成り立っている低価格業種は、1つひとつを確認していくのが大変です。ですが、税務署は売上金額が高い商品や取引先に的を絞って調査してくるので注意が必要です。

 

つぎに②の人件費です。なぜかというと人件費の水増しが、利益を少なくみせるのに効率がいいからです。

 そのような誤解を避けるためには、原始書類である「採用時の履歴書」「職務経歴書」「タイムカード」「源泉徴収票」などを残しておくことです。これらの資料があれば、現在在籍していない人でも、過去在籍していたと証明することができます。

 また、高額な役員給与が問題視されるケースがあります。家族や親族を役員にしてほかの従業員よりも多額の給与を渡しているケースです。なぜその役員の給与が高くなっているのかを説明できるよう税理士と相談しておきましょう。

 

○正規の原子書類が税務調査の切り札

 もう1つ税務署がチェックするポイントがあります。

それは「期ズレ」です。

 「期ズレ」とはいわゆる「売上の繰り延べ」です。当期の売上として申告すべきものを間違って、来期以降の売上にしてしまうことをいいます。そのため、通帳の入金日付、注文書・受注日などの日付は厳しくチェックされます。

 税務調査の有無に限らず、受注書、発注書、契約書などの「原子書類」は、いつでも提示できるようにしておきましょう。

 正規の帳簿原子書類を作成し、保管をしっかりとしておくだけで、税務調査対策の心強い味方になります。

 サービス業における税理士活用のポイントは

 

  • 契約書など原子書類の作成規定を手伝ってもらう事
  • 売上を正確に計上してもらうこと
  • 人件費とくに役員給与などで税務署に指摘されない金額を設定し、その根拠を説明できるよう準備しておくこと

 

が挙げられます。

 これらの対策は、税務調査対策になるだけでなく、経営改善にもつながるので、経営者としてしっかりと力を入れていきましょう。

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